アイドルって素晴らしい 〜Idolife is beautiful〜

大好きなアイドルを日本中、世界中に広めたい。たまにラーメンと、他にも色々書くかもしれません。お昼休みの暇つぶしにどうぞ

自らの歩みと一人の女の子の歩みが交わった瞬間に、演者も、客も、溢れだす涙を止めることはできなかった。

ひらがなけやき坂46の舞台『あゆみ』のチームハーモニカ公演を観劇した。

舞台の観劇自体初めてだったが、そこには、一人の女の子の歩み、アイドル達の歩み、演者としての歩み、受け取るものの歩み、その全てが詰まっていた。

 

その全てが歩み

えーと私は、一生に、だいたい1億8千万歩ぐらい、歩きます。スキップ とか、けんけんとか、お墓参りとか、扇風機の首を追いかけたりとか、お店 に並んだり、デートしたり、夜中、喉が渇いてコップの水を飲んだり、そー ゆーの全部合わせて1億8113万1982歩、です。それが多いのか少な いのかよくわからないですけど、そう思うとずいぶん遠くへ来たもんです。 振り返っても、もう何にも見えないですけど、

 

でも、ふとおもむろに( 止まって) 立ち止まったりして、で、( 歩き出 し) また歩きだしたりして、考えてみると、でもこれって元をたどれば最初 は、一歩、なわけで。これまでも、これも、これからも、どこまで行っても 、最初の一歩の続きなわけで。うれしくてなんか早足になっちゃったのも、 行きたくないの我慢して無理矢理歩いたのも、全部そのあとの話だから、全 部そこからはじまってるから。だから、まずはそこから。はい。じゃあ、行 「あゆみ」 1 き ま す 。 せ ー の 、 は じ め の い ー っ ぽ

 

 

初めて歩いたとき。


アイドルになりたくて、変身ステッキが欲しいと駄々をこねたとき。
母とはぐれて不安になったとき。

 

同級生の男の子と一緒に下校する途中に捨て犬に出会った時。
犬の散歩をしてたら同級生の女の子と出会ったとき。

母が大好きな唐揚げを作ってくれたとき。
勇気が出なくて、友達を傷つけてしまったとき。

リンゴを3個も食べて気持ち悪くなったとき。

 

電車で出会った人に一目惚れをしたとき。
ふとしたきっかけで、その人に本を借りたとき。
友達が自分の恋を応援してくれたとき。
父と同じ傘で帰ったとき。
勇気が出なくて、気持ちを伝えられなかったとき。


大学生になって、家を出たとき。

上京するために乗った新幹線で、母と富士山を見たとき。

ただいまの声が薄暗いワンルームに消えていったとき。

 

酔いつぶれて後輩におぶって家まで送ってもらったとき。
二人で海へ出かけたとき。
久しぶりにはだしになったとき。
告白されて付き合ったとき。
夕日をバックに写真を取ったとき。

喧嘩して、仲直りしたとき。

 

彼を家に連れて行ったとき。

父とバージンロードを歩く練習をしたとき。


子供ができたとき。
駄々をこねる娘を叱ったとき。
はぐれて不安にさせたとき。

母が旅立っていったとき。
娘を強く抱きしめたとき。

 

ひとりで山にのぼったとき。
自分の歩みを思い返すとき。
そこで過去の自分に出会ったとき。

 

近所まで散歩したとき。

 

 

その全部が、あゆみ。

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ハマりだす、歩み

 舞台は円形になっていて、窪んでいる中央部分から円形の縁の部分に出ていき、ぐるぐるとキャストが回りながら入れ替わっていく構成であった。時にゆったりと、時に急かすように役を入れ替えて進められていく物語は、葛藤の中でもがきながらも目まぐるしく過ぎていく人生を、1分1秒を、その1歩を、見事に可視化していた。

10人が同じ役を代わる代わる演じていくので、ともすれば登場人物を見失いそうになるが、その中でも各メンバーにつき1役、固定化された配役が見事にハマっていたことで、物語中のキャラクターの存在感を際立たせていた。

Re:mindにて演技を経験した1期生は、その経験を活かして、全ての役をうまくこなしつつも、固定役にハマっていた。

一方で2期生の3人は、ついこの間まで普通の女の子だったことが、各々の人生の歩みの解釈に幅をもたせてるように感じた。

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重なった、あゆみ

そんな中で劇場内のそれぞれの“あゆみ”が重なりを見せる。
 
「ごめんね、先に行っちゃって、ごめんね、」
「そのあと気まずくなっちゃってごめんね」
「ごめんねって言えなくて、ごめんね」
渡邉美穂演じるアミが最後に泣きながら尾崎さんに謝るシーンが何よりも印象深い。
悪気なく誰かを傷つけてしまう事は誰でも一度はあって、悪気がないからこそ、その後悔や、心のわだかまりがいつまでも消えなかったりする。そうした想いを人はいつまでも抱えて歩んでいくものだから、その過去に向き合って、歩むことのなかった想いを涙ながらに叫ぶアミの姿に、演者は自身の人生を重ね、そして見る側さえも自らの人生を重ねてしまったのだろう。
 
ひらがなけやきのアイドルとしてのあゆみ。
チームハーモニカのこれまでのあゆみ。
中野アミのあゆみ。
そして観客のあゆみ。
全てが一つに重なった瞬間に、涙が止まらなかった。

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これからの、あゆみ 

アーティストの中には憑依型と呼ばれる部類の人たちがいる。

演技や歌唱などにおいて、表現する人物や世界観に完全に没入することによって驚異的なパフォーマンスを発揮するタイプの人間だ。

平手友梨奈を筆頭とした欅坂46がその類で、彼女らの作り出す『漢字ワールド』は一度迷い込んでしまうと抜けられないような、そういう魅力がある。

一方でそれに対抗するかのように、けやき坂46は『ハッピーオーラ』をコンセプトにしたパフォーマンスを行っている。しかし、この「あゆみ」の終演後には、初めて参戦した欅坂46の2nd Anniversary Liveで感じたものと同じような境地に陥ってしまった。できることならこの空間から抜け出したくない、そして彼女たちがこの世界から出てきて欲しくない。そんな世界をチームハーモニカは千秋楽にして完成させたのである。

 

デビューして1年とわずか、初めての舞台にして、持ち前のハッピーオーラとひたむきな努力によって、その対極にあるとも言えるような憑依型の漢字欅に勝るとも劣らないものを見せたひらがなけやき、彼女たちの今後の活躍からますます目が話せない。

今年はひらがなの年になる、そんなセリフがいよいよ現実味を帯びてきた。

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