アイドルって素晴らしい 〜Idolife is beautiful〜

大好きなアイドルを日本中、世界中に広めたい。たまにラーメンと映画と、他にも色々書くかもしれません。お昼休みの暇つぶしにどうぞ

生田絵梨花はミュージカル界のスターになれるのか

 

 

5月29日、東京都日比谷に107年の歴史を刻む帝国劇場にて行われた、ミュージカル『モーツァルト!』を観劇した。

2002年モーツァルト初演以来、すべての公演に参加する市村正親など豪華俳優陣を携え、ミュージカル界の若きスター山崎育三郎によって、そして彼らの作り出す世界によって、才能と自己のイデオロギーとの狭間でもがき続ける1人の人間モーツァルトが、見事に描かれた素晴らしい演目だった。

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生田絵梨花がミュージカル界にもたらすものとは

ミュージカル自体は大変素晴らしいものであったが、気になったのは、生田絵梨花見たさに劇場を訪れた人の多さである。劇場内を見渡したところ、実に幅広い層の客がおり、Tシャツ一枚で席に座ってるような若者も散見された。また、演目中も、生田演じるコンスタンツェが登場するたびにオペラグラスを構え出す客も目立った。そのような中で、生田ファンと思しき客のマナーの悪さが話題になった公演もあったようだ。

 

しかし、逆に言えば、生田絵梨花がそれだけ多くの人を今回の舞台に呼び込んだということも事実である。ミュージカルを見たこともないような人々が、これをきっかけにミュージカルの魅力に気づかされるかもしれない。そう考えると、彼女が1人のミュージカル女優として、歴史的な劇場で、代表的な演目に参加することが、ミュージカル界に並々ならぬ影響をもたらしていることは間違いないだろう。

 

格上の役者にかき消された存在感

そんな生田絵梨花の演技はというと、上にも述べた豪華俳優陣、そして何よりも、歌声、声量、表情、情熱、その全てが圧倒的な存在感を放っていた主役山崎育三郎の前に埋れてしまっていた印象は拭えない。

そして何より、やはり他の女優と比べると、低音の不安定さと細さが目立っていたように感じた。ロミオとジュリエットに始まり、多くの実力派俳優たちと様々な演目を作り上げてきた彼女の成長は、テレビ番組などでの歌唱シーンからも見て取れる。それでも彼女の華奢すぎる体から生み出される力強さには限界があるのかもしれない。

 

彼女にしか生み出せないものとは

しかし、その歌声の細さこそが彼女の魅力でもある。

研ぎ澄まされたように細いながらも鋭く長いソプラノはとても心地よく、時に聞くものの心を揺さぶる。

そしてそんな彼女には、アイドルだからこそ表現できるものがある。その人が表現するもの、生み出すものには、その人自身が映し出されるといっても過言ではない。声楽科には通わず、舞台の経験もまだまだ浅い生田だが、アイドルである彼女にしか得られない経験、感情、そして彼女にしか見られない景色がある。彼女の歌声にはそれら、乃木坂46として7年間で彼女が培ってきたもの全てが詰まっているのだ。

 

乃木坂46生田絵梨花が、名実ともに、ミュージカル界のスターに成長した時、演劇界に新たな扉が開かれるのではないだろうか。そしてそのポテンシャルが彼女には十分に備わっている、我々はそう信じている。

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