アイドルって素晴らしい 〜Idolife is beautiful〜

大好きなアイドルを日本中、世界中に広めたい。たまにラーメンと映画と、他にも色々書くかもしれません。お昼休みの暇つぶしにどうぞ

欅坂46 2th Anniversary Liveを今振り返る。あの没入感をもう1度..

 

 2018年、4月6日,7日,8日の3日間、武蔵野の森スポーツプラザにて行われた「欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE」。不安や恐れ、批判、重圧、それら全てを嵐のように吹き飛ばしていった衝撃の3日間から既に2ヶ月が経とうとしている今、改めてあのステージを振り返る。

 

 

日本武道館公演の中止 

 それは突然だった。2018年1月31日、2月1日の2日間で行われる予定だった日本武道館での欅坂46ワンマンライブの中止が発表された。理由はセンター平手友梨奈の怪我だった。

f:id:milkeyfantom:20180601101814p:plainニュース | 欅坂46公式サイト

 発表後には、数名のメンバーが自身の心境を吐露するブログを更新し、スタッフとメンバーの間に話し合いの場が設けられた上で、中止という決断に至ったことが明かされたが、ファンの間では、21人で全員でやりたいというメンバーの意思を尊重する声があがる一方で、平手頼みのグループの行くさきを懸念する声も多く挙がった。

 また、キャプテンの菅井は、メンバーが日替わりでレギュラー出演するラジオに出演し、公演の中止をファンに謝罪。他のメンバー同様、21人でライブができる次なる機会に決意を表した。

「武道館じゃなくてもどこかステージに立てる日を目指して一回り大きくなってまた皆様に楽しんでいただけるライブが出来るようになりたいと思ってますので、ぜひその日を楽しみにしていただけたらと思います」

 

ANNIVERSARY LIVE開催も、揃わぬピース

 その1ヶ月後、小林由依今泉佑唯のユニット、ゆいちゃんずのshowroom配信にて、欅坂46デビュー2周年を記念した2nd YEAR ANNIVERSARY LIVEの開催が発表された。

 しかし、ここでもまた、メンバーの21人全員でという願いは叶うことはなかった。

 

その約1週間後にはまたも、センター平手の欠席が発表。スケジュールの都合上のものということであったが、平手の消息がわからないファンの間では、もう平手は戻ってこないのではないか、など様々な憶測が飛び交った。(後に、映画の撮影であったことが判明)。さらには、直近のイベントを体調不良で欠席していた志田愛佳も、そのままアニバーサリーライブを欠席することが判明。そんな中、欅坂46のメンバー達は、覚悟や不安、重圧、様々なものが入り混じったそのステージを19人で迎えることとなった。

 

衝撃の2時間30分

 冒頭からクライマックスのような、鬼気迫るパフォーマンスだった。一発目の「ガラスを割れ」では本来平手が着るはずの赤のMA-1を全員が羽織り、ゆいちゃんずの2人がセンター。"結局平手も志田もいないじゃないか"。そんな不平不満で固められた見えないガラスの壁に蹴りを入れ、宣戦布告した。

f:id:milkeyfantom:20180601121145p:plain

 その後も、渡邉理佐土生瑞穂守屋茜鈴本美愉、小池美波、原田葵菅井友香と、今泉、小林を含めた総勢9名がセンターを務め、約2時間半を19人全員で駆け抜けた。

 中でも、衝撃的だったのは、本編最後に披露された「不協和音」だった。

「この曲はてちにしかできない」そう言われ続け、現に今まで一度たりとも平手不在で披露されることはなかった。昨年末の紅白でもその名を轟かせるパフォーマンスを見せた、この曲のセンターに、この日立っていたのは、キャプテンの菅井友香だった。

本編ラストということもあり、スクリーンにLAST SONGの文字が映し出され、不協和音のイントロが流れ出した瞬間には既に、客席のボルテージは最高潮に達していた。そんな状態でありながら、1サビ前の「僕は嫌だ」、そして2回目と、曲の中で会場全体が、もっと、もっと、とうねりを上げるように熱を帯びて行くのがわかった。そしてラスサビ前の「僕は嫌だ」と同時にステージが爆発する。パフォーマンスをする彼女達と観客の熱気が、興奮が1つに混ざり合い、会場内は異様な空気感に満ちていた。曲が終わっても、何が起きたのかわからなかった。まるで核ミサイルで心臓を貫かれたかのような、衝撃と喪失感が体の中を支配していた。

 ライブ終了後日のラジオにて、菅井は当時の心境を次のように語っている。

「心の奥のメラメラ燃えた闘志みたいなのが、自分も知らなかったような闘志が全開になった。自分がコントロール出来ない感じになっちゃって…あんまり記憶がない」

欅坂46菅井友香「平手友梨奈の凄さを何もわかっていなかった」センターはライブ直前に抜てき「記憶がない」 - モデルプレス

いかに大きなプレッシャーと闘っていたのかが伺い知れる。他のメンバーも菅井同様、こちらからは想像もできないような不安と戦い、死に物狂いで模索し、覚悟を持ってステージに臨んだに違いない。

f:id:milkeyfantom:20180601124542p:plain


平手の大きさに気づいたことで生まれた新しい世界

 そんな彼女達の中にあった覚悟や恐れは、今回、センター平手不在でライブに臨むにあたって初めて生まれたものだった。先日、欅坂46公式サイトにてファンクラブ会員限定で公開されたメンバー座談会の記事によれば、久しぶりのライブに対する楽しみな気持ちがあった一方で、ライブに向けての準備が進めば進むほどに、平手がこれまでに作り出してきた世界観を目の当たりにして、その存在の大きさを痛感するとともに、焦燥感に駆られたという。「月曜日の朝、スカートを切られた」でセンターを務めた渡邉理佐は、"曲の感じ方が変わった。こんな気持ちになるなんて想像できなかった"と当時の心境を語る。さらに「世界には愛しかない」を任された守屋茜は"てっちゃん(平手)は今までライブのたびにいろんな曲でいろんな主人公を演じてた。本当にすごいなと思った。"と語った。

 それまでは、天才的な感性を持つ平手の作り出す世界に、一緒にパフォーマンスしているはずのメンバーでさえ圧倒され、ひょっとしたらどこか諦めてしまっていた部分もあったのかもしれない。しかし、今回初めて、自分たちの曲を、センター平手友梨奈という人間を真に理解しようとし、自分たちのものにしようともがき苦しんだ。そしてついに自分たちのものにした瞬間に、その曲の詞が、振り付けが、彼女達に憑依したのである。そして今までの平手が作り出した欅坂46ではなく、メンバー全員が生み出す新しい"漢字ワールド"を、武蔵野の森のステージで爆発させたのだった。

f:id:milkeyfantom:20180601132831p:plain

 

21人で、あの世界をもう一度

  今回のライブ成功が意味するのは、平手がいなくても漢字欅はライブができる、などというようなことではない。自分たちの曲の持つ世界観、そして欅坂というグループの存在意義を彼女達が自分たちの意思で捉えたことだ。いまの彼女達であれば、本当の意味で平手を迎え入れることができるだろう。そして、そこに平手が帰ってきたときに、今度は一体どのようなものを見せてくれるのかは、想像もつかない。

もちろん、不安がないわけではない。

もしかしたら志田愛佳が帰ってこないかもしれない。新しいメンバーが加入して、全員選抜というスタイルが崩れてしまうかもしれない。

それでも、我々ファンが、彼女達の目の前には今、いったいどのような坂が広がっているのか、そしてそれをどのように彼女達が登って行くのかを、自信を持って見守ってあげなければならない。

 

彼女達こそが、欅坂46なのだから。

 

 

参照元

mdpr.jp

www.keyakizaka46.com