SNSがなくなればアイドルもいなくなる
こんにちは、みるきーふぁんとむ(@milkeyfantom)です。
前回の記事でスマートフォンとSNSの関係については述べました。
スマホがなくなってしまえば、SNSも消滅してしまうでしょう。
では、SNSがこの世からなくなってしまった時、
アイドル文化は一体どうなってしまうのでしょうか。
結論から言ってしまえば、
SNSがなくなれば、まず間違いなく、
今のアイドルは私たちの前から消え去ってしまうでしょう。
SNSの登場と共に誕生したAKB48
AKB48がインディーズデビューを果たしたのは、2006年2月、そして同年10月に「会いたかった」でメジャーデビューしました。
そんな2006年ですが、当時はiPhoneは発売前、まだまだスマホはあまり普及しておらず、人々がメールでやりとりをしているような時代でした。
しかし、その2年前、2004年にマーク・ザッカーバーグ氏がFacebookを設立し、2年後の2006年にはTwitterがサービスを開始しました。当時はこの2つのサービスが今後どのような発展を遂げるかなど知るよしもありませんが、今では国内ユーザー数4500万人とも言われるTwitterは今から12年前に始まったのです。そして、まるで後のSNS時代到来を予期していたかのように、同年に秋元康氏はAKB48をこの世に生み出したのでした。
最大公約数から最小公倍数へ
前回も述べたとおり、日本において、アイドルという存在は、AKBに始まったわけではりません。山口百恵やおニャン子クラブの時代からモーニング娘。など、時は変われど、人々の心にアイドルは存在し続けていました。
しかし、その存在の形は、真逆のものになったと言えます。
今から50年ほど前、一家にテレビが一台しかない時代には、家族みんなでテレビの前に座り、プロ野球も相撲も、お笑い番組も、紅白歌合戦も、みんなが一緒にそれらを楽しんでいました。アイドルも、誰もが憧れる「最大公約数型」のアイドルであり、誰もが認める絶世の美女が、手の届かない存在として、テレビの中に存在していました。
しかし、インターネットが普及し、誰でも気軽に色々なことを知れるようになったことで、人々の興味や関心は様々なところに及び、価値観は多様化していきました。すると、今までの「最大公約数型」のアイドルでは多くの人気を獲得することが難しくなりました。そこで、より多くの価値観に対応できるように「最大公約数型」とは対極にある「最小公倍数型」の、価値観の多様化を受け入れられるような大人数のアイドルグループが誕生しました。
そして"会いに行けるアイドル"というコンセプトを基にした大人数アイドルグループ、AKB48は徐々に人気を獲得していきました。
ドキュメンタリー性に価値が置かれるアイドル
アイドルの形が最大公約数から最小公倍数へと変わる中で、人々は、そのドキュメンタリー性に価値を見出すようになっていきました。
先ほども述べたように、AKB以前のアイドルは、表舞台で輝く姿以外は決して見せず、表で見せる姿が全てでした。ファンのにとっても、手の届かない、現実とかけ離れたような儚い存在だからこそ、そのことが返って神秘さを増して、アイドル性を高めていました。
一方で、秋元氏が生み出したアイドルたちは、表舞台で一生懸命に輝きを見せる傍で、裏での姿を惜しみなく映し出されてきました。それを見ることでファンは、彼女らが、決して特別な存在ではないと感じ、そんな特別でない彼女たちが、様々な苦悩や葛藤を抱えながらも必死に輝きを放とうとする姿に心を揺さぶられます。そのようにして、「最小公倍数」の1つ1つが、一人のファンにとって、最大公約数と同じかそれ以上に大きなものになっていくのです。
拡散されるドキュメンタリー
そしてその最小公倍数の数を、より増やしていくことが、グループとしての人気拡大につながる訳ですが、そのために、SNSはとても大きな役割を果たしていると言えます。
ファンが見たメンバーの表と裏の姿は、今日発展したSNSによって凄まじい速さで、拡散、共有されていきます。そして、それに共感した誰かが、そのメンバーの表と裏を追うようになる。そして、それらが拡散され、再び誰かの目に留まる。こうしたファン拡大のサイクルが、SNSによって作り出されています。
また、メンバー自身も、Twitterや755など、様々な媒体を通じて、自身のパーソナリティや、時にはあまり見せたくないような部分までさらけだしたり、積極的に発信していくことによって人気を獲得していきます。そしてこれらもまた、先ほどのファン拡大のサイクルに巻き込まれていくのです。
スマホとSNSとアイドルと
以上に述べてきたことからも、SNSと現代のアイドル文化は切り離せないものであることがわかったと思います。
SNSがあったからこそ、これほどまでに日本人の間にアイドル文化が根付いたということは、SNSがなくなってしまえば、アイドルの存在自体も危ういものになってしまうでしょう。そして前回の記事で書いたような、スマホを使わなくなる未来が訪れるならば、SNSも消滅してしまう可能性が高い、すなわち、アイドルという存在も消え去ってしまうのかもしれません。
「5年後、誰もアイドルに興味がなくなっている」by秋元康 - 朝飯前のアイドル雑記
果たして、アリババ会長ジャック・マーが予言するような
スマホを使わない未来はやってくるのでしょうか。
それに伴うアイドルの今後にも注目です。